声優初挑戦のペコ役・片山さんと、多くの作品で活躍中のスマイル役・内山さんが、それぞれのキャラクターなどについて語り合います!
――出演のオファーがあった時の、作品の第一印象を教えていただけますか。
内山僕はちっちゃいころに実写映画を見ていたので、その印象が強くて。窪塚(洋介)さんの感じとか、SUPERCARの音楽とかそういう印象がまずありました。で、オーディションを受けるにあたって原作を読んでみて、マンガとして完成されていて、絵の力というか、作品のパワーがすごいと思いました。だからアニメ化するといっても『ピンポン』のこの感じ……キャラクターのビジュアルも今のアニメではまず見ない雰囲気だし……をどう調理するんだろう、と。勝手ながらそんなことを考えました。
片山僕は、映画はタイトルを知っているだけだったんですけれど、原作を子供の頃、ちらっと見たことがあって。児童館か何かにおいてあったんだと思います。その時に松本(大洋)先生の絵のイメージが強く自分の中にあって、あの『ピンポン』なんだ、という気持ちがまずあって。それで、個性的なキャラクターが頭にあったんですけど、改めて読み直してみちたらもう、うるっときたり、鳥肌たったたりして。すごー!と思って。
内山フレーズの力、あるよね。
片山そうですね。あと、クスッてくる感じ。そういうギャグ、僕すごく好きなんですよ。ただそれだけに、アニメになるっていうことが、想像ができなくって。だからオーディションの時も、声優自体の経験がないこともあって、あんまり考えられないままだったと思うんですよ。
――片山さんはペコをどうとらえているんですか?
片山あの、ほんわかした感じはわりと似ているかなと思ってはいるんです。あそこまで純粋にはなれないですけど。あと『ピンポン』は女性っけが全然ない作品なので(笑)、小学校から男子校の僕としては、そこもなんかペコに近しいなと。
内山確かに。あの学校、男子校ではないんだよね?女性徒、出てこない!(笑)
片山なんだかマンガの初期設定には、ペコに好きな子がいるっていうのあったらしいんですよ。
内山ペコが?
片山佐竹さんって人らしいです。
内山誰だよ!(笑)
片山誰でしょう?(笑)
――内山さんはスマイルの第一印象、どうでしたか?
内山第一印象は、こういうタイプのキャラクターとはなじみがあるぞ、という感じでした。
――内面をなかなか見せないキャラクターですよね。
内山そうですね。今日も、某話の収録があったんですけれど、スマイルのテンションがあがるシーンがあって、意識したつもりはないんですけど、ほんの少しだけ笑顔のニュアンスが入っていたらしくて「そこは笑わないで」って言われたんです。テンションはあがっているけれど、あくまでもスマイルは笑わない。だからペコと正反対で、感情を抑えて、抑えてというのはあるんですけれど、そういうのは嫌いではないので、楽しくやらせていただいてます。
――内山さんから見た、片山さんのペコってどういう印象でしたか。
内山実は、オーディションでは僕もペコをやっているんですよ。でも、セリフを言う前から分かっていたんですけど、全然よくなかった。ペコをだれにするかっていうのはいろんな選択肢があったと思うけど、結果的に選ばれたのは声優が初めてという片山さんで。それは今思えば大正解だったと思います。なぜかというと、初めて片山さんのセリフを聞いたときに、何年か声優の経験を積んでしまったらあまり選ばないセリフの言い方など、多くのみずみずしさを感じたからです。これはうらやましくもあった。
――片山さんは、内山さんのスマイルをどう思いましたか。
片山衝撃でした。「あー!」って思いました。なんの違和感もなくスマイルでした。ずっと隣にスマイルがいる感じで。ただものすごく緊張していたんで、それ以上のことはあまり覚えていないんですけど。
内山番組宣伝用のPVを録ったんですけれど、1時間半ぐらいブースにいて、一言も言葉を交わさなかったよね(笑)
片山ブースが静かだったんで、しゃべっていいかどうかもわからなくて。そのときは、本当に考える余裕がなかったんです。今もあんまり余裕はないですが(笑)。
後編では片山さんが先輩・内山さんにいろいろ質問します!